うつ病の回復を支える過ごし方(療養中の過ごし方)|ありのままこころのクリニック|那珂川市の心療内科・精神科

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うつ病の回復を支える過ごし方(療養中の過ごし方)

うつ病の回復を支える過ごし方(療養中の過ごし方)|ありのままこころのクリニック|那珂川市の心療内科・精神科

うつ病の回復を支える過ごし方(療養中の過ごし方)

 

「気晴らしにならないこと」は控えましょう。

療養中、「どのように過ごせばよいですか」とよく聞かれます。しかし、回復のペースやこれまでの生活背景は人それぞれ異なるため、「これが正解」と一律に言うことはできません。大切なのは、終わったあとに自分がどう感じるかです。少しでも気持ちが軽くなるのであれば続けてよいですし、どっと疲れて落ち込んでしまうようであれば、今は控えるほうがよいでしょう。その活動が本当に“気晴らしになっているかどうか”をひとつの基準にして考えてみてください。

 

療養中は「大きな決断」を急がないことが大切です

うつ病になると、物事の受け取り方や考え方が、普段よりも極端に、そして悲観的になりやすくなります。これは病気によって脳の働きが低下したために起こる変化です。そのため療養中、とくに症状が強い時期には、人生に大きな影響を与える決断はできるだけ急がないことをおすすめしています。

たとえば、

・離婚や結婚など、大きな人間関係の決断

・転職や退職

・高額な買い物や財産の処分

・引っ越しなど生活環境の大きな変更

といったことです。うつ病の急性期には、どうしても物事を悪い方向に解釈しやすく、「今すぐ現状を変えなければならない」と感じてしまうことがあります。しかしそれは、本来のあなたの判断というよりも、病気がそう判断させているのかもしれません。症状が落ち着いてからのほうが、より納得のいく選択ができることが多いのです。大きな決断を先延ばしにすることは、将来の自分を守るための大切な治療の一部なのです。

 

「生きていても意味がない」と感じてしまうとき

うつ病では、悲観的な思考が強まることで、「これから先、生きていてもいいことはない」といった極端な結論に至ってしまうことがあります。これもまた、性格や弱さの問題ではありません。病気によって脳がそのように考えさせてしまっている状態です。これまで多くの患者さんが、「あのときは生きる意味がないと思っていた」と話されます。そして治療によって症状が改善すると、「あのとき命を絶たなくて本当によかった」と振り返られます。私たちは、そのような変化を何度も見てきました。自分を傷つけたいという気持ちは、うつ病の重要な症状のひとつです。そして多くの場合、適切な治療によって病状が改善するにつれて、その気持ちは次第にやわらいでいきます。つらい気持ちを、どうかひとりで抱え込まないでください。少なくとも、目の前の治療者はあなたの力になりたいと考えているはずです。

 

生活習慣とうつ病の関係

うつ病は、日々の生活習慣も発症や回復に大きく関わっています。生活習慣を整えることは、治療を支える大切な要素のひとつです。

 

喫煙について

喫煙は、うつ病の発症リスクを高めることが知られています。また、すでにうつ病を発症している場合にも、回復を妨げる可能性があると報告されています。そのため、可能であれば禁煙が望まれます。ただし、急にやめることが難しい場合もあります。その際は、いきなり完全にやめることを目標にするのではなく、まずは本数を減らすなど、段階的に取り組むことが現実的です。

 

アルコールについて

アルコールの問題(アルコール使用症)とうつ病は、しばしば同時にみられます。飲酒量が多いと、うつ症状の発症や悪化に影響することが知られています。また、両者が重なると症状が重くなりやすく、回復に時間がかかる傾向があります。そのため、治療中はできるだけ飲酒を控えることが望まれます。すぐにやめることが難しい場合には、まずは「アルコール使用症に該当しない量」(目安としてビール500ml、または日本酒1合程度など)まで減らすことを目標にし、段階的に取り組んでいきます。長い間多量に飲酒していた方が急にお酒をやめると、手のふるえ、発汗、動悸、不安の高まり、不眠などの症状があらわれることがあります。これを「離脱症状」といいます。当院では、離脱症状が出る可能性がある場合には、アルコールと似た働きをもつ薬(交差耐性のある薬)を一時的に使用し、体の急な変化をやわらげながら安全に減酒を進めます。状態が安定してきたら薬は少しずつ減らしていきますので、必要以上に長期間使用することはありません。また、依存症の程度が強いと判断される場合には、より専門的な治療が受けられる医療機関と連携し、病院をご紹介することもあります。必要に応じて専門プログラムを利用し、より安全で確実な回復を目指します。

 

カフェインについて

コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインは、過剰に摂取すると不眠や不安を強めることがあります。うつ病では睡眠の質がとても重要です。カフェインは、眠れなくなるほど多量に摂らないようにし、夕方以降は控えることをおすすめします。

 

睡眠と生活リズムについて

うつ病では、睡眠と覚醒のリズムが乱れやすくなります。生活リズムを整えることは、症状の安定につながる大切なポイントです。

たとえば、

・毎朝できるだけ同じ時間に起きる

・起床後に外の光を浴びる

・昼夜逆転を避ける

といった基本的な習慣を意識することが大切です。「眠れないから長く寝床にいる」という行動は、一見よさそうに思えますが、かえって睡眠のリズムを崩してしまうことがあります。睡眠の改善には、「睡眠障害対処12の指針」も参考になります。これは厚生労働省の研究班が、睡眠障害を予防・改善するためのポイントを12項目にまとめたものです。日々の生活の中でできる工夫が紹介されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

体重と運動について

肥満は、うつ病の発症リスクを高める要因のひとつとされています。また、症状の経過にも影響する可能性があります。一方で、体重の適正化を含む生活習慣の改善は、うつ症状の軽減につながることが報告されています。特に、無理のない範囲で体を動かすことは、気分の改善と関連があるとされています。ウォーキングなどの有酸素運動は、その効果が示されています。ただし、「頑張って運動しなければ」と無理をしてしまい、かえって疲れてしまうのでは本末転倒です。大切なのは、できる範囲で少しずつ体を動かすことです。体調に合わせて、短時間の散歩や軽いストレッチなどから始めてみましょう。続けられることが何より大切です。

 

まとめ

うつ病の療養で大切なのは、無理をしないことです。気晴らしがかえって負担になっていないかを振り返り、大きな決断は急がず、生活リズムを少しずつ整えていくこと。それだけでも、回復の土台になります。日々の療養の中で、ひとつの目安としてお役立ていただければ幸いです。

 

執筆・監修
ありのままこころのクリニック
院長 関 一誠

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